FC2ブログ
プロフィール

:

Author::
ミウラ ケイコ
(こうだ建築設計事務所)
ワタナベ ナミ
(渡辺建築設計事務所)
共に一級建築士・福祉住環境コーデイネーター二級。
埼玉で住宅をメインに居心地の良い空間造りを目指しています。

気軽にお問い合わせを

名前:
メール:
件名:
本文:

カテゴリー

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

住環境相談室 We(ウイ)
‘暮らしの環境 住まいから’をテーマに様々な方向から住まいを考えます
最近の相談から
最近の相談から ・・・ 高圧洗浄

外壁の塗り替えをするために高圧洗浄をしたら壁から雨漏りがし、
木製の雨戸が壊れてしまった、という相談がありました。

築40年、木造2階建て、外壁の仕上げはリシン掻き落としです。
窓枠とリシン仕上げのわずかな隙間から水が染み込んでしまったようです。
軒天も木製の雨戸も、劣化した部分を破壊して内部に水が入ってしまいました。

高圧洗浄は外壁の洗浄にとても便利でよく使われるのですが、
築40年というのは経年劣化が進んでいますから、
水圧が高い分細心の注意が必要です。

リシン掻き落としは左官屋さんが行う外壁仕上げです。
骨材の入ったモルタルリシンをコテで塗り、
乾く前にけんざんやブラシなどで表面を削って落とします。
細かいでこぼこが陰影を作り表情のある上品な仕上げです。
高圧洗浄で表面のでこぼこが削られ、表情が乏しくなってしまいました。

手間がかかるために工事費が高くなり、
工事期間も長くなるために最近はあまり見なくなりました。
その結果職人さんも少なくなってしまったのは残念なことです。
こういう伝統的な仕上げは大事にしたいものです。


私の家も昨年の秋に外壁を塗りなおすために高圧洗浄をしました。
仕上げはアクリルリシン吹き付けです。
でこぼこも大きいですし、表面はアクリル塗料が塗られているので撥水性があり、
高圧洗浄にも十分耐えられます。
でも網戸を1枚壊してしまいました。
網戸の網はかなり緩んでいて危ないなとは思っていました。
その結果、やっぱり網が外れてしまいました。
これについては塗装屋さんが「こういうのが得意な人がいるんだよ」と言って会社に持ち帰り、
綺麗に直してきてくれました。

網戸の網は消耗品なので、比較的簡単に張り替えができるようになっています。


洗面所の給湯管を取り替えてから下水の臭いがするようになり、
排水管を高圧洗浄で掃除したら一時的に臭いがなくなった。
しかし2年ほど前から夏になるとまた臭うようになり困っている、
という相談もありました。

この相談者の場合、洗面所も台所もしっかり掃除し、
床下も確認したのに臭いが取れないということでした。
考えられるのは高圧洗浄で排水管を痛めてしまったのではないかということでした。
そうだとしてもどこが傷んでいるのかわからず、残念ながら今も解決していません。

排水管の高圧洗浄は菅を炒めることが多く、あまりお勧めできません。
排水管の亀裂や傷み具合などはスコープで確認できます。
     調査器具

     スコープb

     スコープA

家のメンテナンスは家を長持ちさせるためにとても重要です。
構造や仕上げ、いつごろどういう方法で修理をしたかなど、家の履歴書を作っておくことをお勧めします。(kei)


ヒアシンスハウス
ヒアシンスハウス夢まつり

別所沼にヒアシンスハウスができて15年になります。
今年も夢まつりが開かれました。
台風が来なければ、紙管で造る「気持ちいいをつくろう」のデザインワークショップも
開かれるはずでしたが中止になってしまいました。残念です。

     P1040763ヒアシンスハウス
     
     外観b

台風一過で別所沼の公園内は木の枝や実、落ち葉がいっぱいでした。
いつもいつも、お掃除の方がきれいに清掃しています。

北は北海道から、南は九州まで、
延べで2万人を超える人が来て下さいました。
雑誌や新聞に掲載されるたびに、「新聞をみて是非見に行きたいと思いました」
と言って遠くから来て下さいます。
来られた方の多くが、室内に入るとその居心地の良さを褒めて下さいます。
     新聞

立原道造の卒業論文には「住み心地良い」ということばがあります。
建築体験には「つかう」ことと「眺める」体験。
そして「つかう」ことと「つくる」体験があるとしています。
そして「住みよい」と「住み心地よい」という二つの概念を示しています。
そうして計画されたヒアシンスハウスは、「住み心地良い」空間を見事に作り上げ、
みんなに愛される小屋になったのだと思います。

24才で夭逝してしまった立原道造の、こんな小さな小屋に、
こんなにもファンが多いことは、ヒアシンスハウスに関わるものとしてとっても嬉しいことです。

     夢まつり
     空

今年の夢まつりは県立浦和高校グリークラブの卒業生によって結成された
男声合唱団、Le Terre (る てえる) の美しい歌声で終了しました。(kei)

建具
すてきな建具

最近、明治元年に建てられた店蔵のある民家を見せて頂く機会がありました。
店も、奥の住まいも立派なのはもちろんですが、
今回は住まいに使われている建具が素晴らしかったので、
それをご紹介したいと思います。

     障子1
     一見普通の建具ですが反対側がすごいのです。

     障子2
     障子3
     こんなに凝った桟が割り付けられています。こちら側が主座敷になるのですね。
     真ん中が外れるようになっていて、夏には風通しのため格子が入るそうです。

     廊下
     こんなに長い廊下。この廊下の真ん中あたりが主座敷です。
     奥に内蔵(建物と蔵が廊下でつながっている)があります。

      ランマ2
     内蔵の前の廊下に面した座敷の障子です。

     神棚
     神棚の全面に障子が入っています。
     1階の店に立派な神棚があるのですが,これは2階にある神棚です。
     お正月や、行事の時以外は障子を閉めているのだそうです。

  潜り戸潜り戸
     最近は見かけなくなりましたが、時代劇を見ていると時々出てきますね。
     長い廊下や広縁に雨戸を何枚も建ててあるとき、一枚の雨戸にこんな工夫
     をしてそこから出入りできるようになっています。
 下がり壁下がり壁
       もみじ
       建具ではないのですが、下がり壁に粋なことをしてあります。
       墨漆喰に紅葉の模様を型押しして色を付けてあります。
       紅葉の葉の形がみんな違うのです。きっと楽しみながら色づけしたんでしょうね。

昔は凝った桟の障子がたくさんありました。障子紙の貼り替えが大変だったでしょうね。
障子紙の幅に合わせて桟の割り付けをしていたのですが、
だんだん近代化が進んでくると桟の割り付けも大きくなり、
さらに大判の一枚の紙ができるようになってからはデザインも自由になりました。
桟割が大きいほど掃除もラクだし張り替えるのもラクですね。(kei)

敷地境界のブロック塀
困った古いブロック塀

家を新築するときなど、今の建築基準法やその他の関連する法律にあっているか

確認申請を行政に提出しOKであれば工事に取りかかることができます。


最近、お隣との境界にあるブロック塀が原因で確認がOKとならない事が多々あるようです。

家を新築するとき、ブロック塀は別物の様に思いますが、そうではないのですね。

敷地内に法律に合致していない物がある場合は、いくら新築の家が法律に合うように

プランされていても確認申請はOKが出ないとのこと。


ブロック塀の基準には基礎の深さであるとか、鉄筋の入れ方であるとか、

高さによってブロックの厚みであるとかいろんな事が決められています。

問題になることが多いのは1.2m以上のブロック塀には3.4m以下の間隔で

控え壁という壁を付ける必要があるという部分です。

皆さんの家とお隣との境界の塀はいかがでしょうか。

塀と直角にちゃんと控え壁が3.4m以下の間隔で入っているでしょうか。

以前はあまりその部分は指摘されなかった様に思うのですが

地震が多いせいでしょうか、ブロック塀の取り扱いが厳しくなってきているようです。

ブロック塀がお隣の物でしたら全く問題とはならないのですが、

共有の持ち物でブロックの中心がお隣との境界であり、

高さが1.2m以上あるけれど控え壁が付いていない場合がなどが問題です。

控え壁が付いていても、鉄筋が入っておらず、

壊れそうなものはもちろんダメのようです。

確認申請の時には図面ですから、行政も気づかず確認がおりたのに

工事の完了検査に来たとき気づき、対策を指示され、完成ずるまで、

完了検査のOKが出ない場合もあるようです。


自分の敷地内に建っている塀でしたら

控え壁を新たに取り付けるか、塀の高さを1.2m以下にするか、

基準に合わせて作り直すかそれとも塀を撤去してしまうなど

こちらの判断で進める事ができますが

共有の場合はこちらの都合だけで進める訳にもいきません。

どんな方法にしても費用がかかるわけですし、

隣家との話し合いが、すぐにうまくいくかが悩ましいですね。

これから土地を購入して新築をと計画をしている方、

中古の家を買っていずれ建て替えをと考えている方も

隣家との境界にある塀にも目を向けてください。

高い塀があって安心と思う前に、塀は誰の物か、

高さはどうか、将来の建て替えに

問題なさそうか、しっかり確認してください。

専門家も、見逃しやすい問題です。

工事会社などとの打ち合わせの時も、塀の事も確認してください。

気になったら、行政に相談に行くこともお勧めします。(ナ)


見学会
見学会

久しぶりに建築家が細部にまで心を配って設計した住宅を見学してきました。
築33年、宮脇檀(みやわき まゆみ1936〜1998)の設計による
親子3人のための鉄筋コンクリートと木造の混構造の平屋建て住宅です。
お子様が独立し、高齢の夫婦二人だけでの維持管理は難しいということで
住み替える決心をされました。
年内には解体されるということで、今回見学会が実現しました。

昔は庄屋さんだったという川口市のN邸です。
長屋門だけで家族3人が住むには十分な広さがあったそうですが、
長屋門には手をつけず、少し離れたところに新たに門を作りました。
さりげなく優しい雰囲気の門ですね。
      門門

玄関も、何も大げさなことはないのにさりげなく品の良い空間でした。
    玄関玄関

何よりも感心したのは通風、換気にとても心を配っているということです。
大きな家なので全館エアコンのダクトを回して冷暖房をしているのですが、
住宅であればやはり自然の風が欲しいですね。
なにより経済的です。
そんな工夫があちこちにあります。
  玄関ホールアイストップ

  細い換気窓細い換気窓
上の写真は玄関を入った正面のガラスの嵌め殺し窓で中庭を見ています。
ガラス窓の部分を少し外側に出して出窓にし、
その窓枠の5センチくらいの隙間に網戸とガラリ戸が入っています。

家中を締め切って外出した時、帰って来て玄関を開け、
この細い換気窓を開けると、すーっと風が通り抜けていくのがわかるそうです。
奥様は、家中が息を吹き返すようだとおっしゃっていました。

   廊下地窓廊下地窓
長い廊下にも下部に窓を設けてあります。

      暖炉暖炉
暖炉のあるリビングです。
この写真では分かりにくいのですが、庭に面した大きな窓の下部も開閉可能で
風が通るようになっています。
宮脇檀氏は、「床を這ってくるような風が一番気持ちがいい」と言っていたそうで、
ソファーも足つきのものを選び、風の流れを妨げないようにしたそうです。

    客間窓客間網戸
客間の外側です。
大きな嵌め殺しの窓の袖はこのように開きます。

   浴室内部浴室
浴室は檜の無垢材の横張りです。
換気さえ良ければ檜の浴室は30年以上経ってもこんなに綺麗です。
わずかに水栓の周りが黒ずんでいるだけというのはすごいです。

   浴室外部浴室外
浴室の窓を外から見るとこんな感じです。

      寝室寝室
寝室の出窓もサイドに網戸とガラリ戸が付いていて換気、通風ができます。
採光は上部からです。
    子供室子供室

どの部屋も実に豊かな空間だと感激でした。

これだけの密度で設計することは相当な体力と気力が必要です。
それでも設計している時は限りなく幸せだと思います。

庭から全景庭から

広いですね!これでも半分です。
右奥は客間、その左側の大きな窓がリビング、和室、
さらに手前が子供室、そして浴室です。
見えないところに主寝室、キッチン、ダイニング、納戸などがあります。

これだけ大きい家ですとやはり、ご夫婦2人だけで住むのには維持管理が困難になり、
重荷になってくるのはよくわかります。
でも、これだけの家を解体してしまうにはあまりにもったいないということで、
現在移築して残せないかと模索、検討中です。(kei)