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ミウラ ケイコ
(こうだ建築設計事務所)
ワタナベ ナミ
(渡辺建築設計事務所)
共に一級建築士・福祉住環境コーデイネーター二級。
埼玉で住宅をメインに居心地の良い空間造りを目指しています。

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住環境相談室 We(ウイ)
‘暮らしの環境 住まいから’をテーマに様々な方向から住まいを考えます
気仙大工
気仙大工

‘気仙大工’という大工集団をご存知でしょうか?
『東北の民家』(小倉強 相模書房)に‘気仙大工’について次のように書かれています。

岩手県気仙郡(元の仙台藩)地方に古来気仙大工と呼ぶ優秀な大工集団がある。
親方棟梁の下に年季奉公をして技を習い、独立して一人前の大工になる。
気仙大工は堂宮を得意とするが、民家建築にも携わっている。……


岩手県南の沿岸部に気仙地方(けせんちほう)と呼ばれる地域があります。
大船渡市・陸前高田市・住田町・三陸町など、今度の大震災で大きな被害を受けた地域です。

この辺りには今も大工さんが多く、3人集まれば1人は大工さんだとか、
3代遡れば必ず大工さんがいるとか言われています。
試しに陸前高田出身の知り合いに聞いてみました。
そうしたら本当に「私のおじいちゃんは大工だったのよ」という返事に驚きました。

この大工集団は比較的高い技術を持ち、有能なことで知られています。
民家の建築はもちろん寺院造営、建具づくり、左官や細工までもこなすうえに
鳶の仕事までやっていたようです。

藩政時代から「南行き」と称した出稼ぎをしていたといわれています。
明治期になってその活動はさらに活発になり、東北本線の開通以来、
関東地方や北海道などにも出稼ぎ範囲が広がりました。

気仙地方は北国の地にあっても温暖で豊かな自然と産品に恵まれ
その沖合は、北からの寒流と南からの暖流がせめぎ合う
豊かな漁場をつくりあげています。
そしてリアス式と呼ばれる、入り組んだ美しい海岸線が続いていましたが、
今テレビに映る姿には本当に心が痛みます。

気仙の匠の集団は今日に至るまでその心と技を綿々と伝えています。
関東大震災後の復興にも活躍した大工集団です。
今度の大災害でも大きな力を発揮してくれるに違いありません。
必ず復興することを信じて、息の長い応援をしていきたいと思います。(kei)


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